16歳。ブルーアイス。
薄ピンク色の桜。綺麗なのは記憶の中でだけ。
やたらとでかいグレンチェック柄の、グレーのスカート(リメイクしたらバレるように学校のロゴマーク付き)、裾を出して着ないようにあらかじめ短くカットされた規定のシャツ。真っ白ならまだしも、うっすら入ったストライプ柄がかえって幼稚っぽく見えてしまう。
憧れのリボンやネクタイの装飾品は、なし。
そんな、まるでダサい制服を、落胆した気持ちで身につけつつも、入学当初は、街中で見かける先輩たちや、漫画の世界みたいに、はつらつとしてきらびやかでいられる世界が待っているのだと、少しばかりは期待していた。
だけど、皆がそんなそわそわしたような気持ちでいることを感じ、浮き立った空気が教室に充満しているような気がして、なんとなく私の気持ちは冷めてしまった。
自分も、心の中で密かにはしゃいでいたくせに、それを棚に上げて「冴えない奴ら。」と毒づいていた。