16歳。ブルーアイス。




それでも、クラスに友達は出来たし、
授業も、はじめのほうは、先生達だって、ゆるい空気の中にいる私たちのことを、“高校生になった”こと、まるで人生の節目を見守るように、あたたかく接してくれていたように思う。








「ゆうー。」
朝教室に入ると、有紗が腕にまとわりついてくる。
「あーさ、おはよ。何、この甘いにおい。」
「リップ。昨日買ったの。可愛いでしょー。」
ピンク色につやつやと光る唇を、タコみたいに突き出してみせる。

「うわぁ、つけないでよね。」
有紗は私より頭ひとつ分低いから、肩のあたりにそのあぶらぎったものがつきそうになる。



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