16歳。ブルーアイス。
「なに、じろじろ見てんの。」
視線に気づいたのか、振り返って訝しげな顔をする有紗を促して、自分も隣の席へつく。
「いやぁ。あーさ見てると、今日も輝いてんなぁと思って。」
「なに、それ、なんかおばさん発言。あんたも同じ華の高校生だよ?」人差し指をつんつんさせながら私に向けてくる。
「まぁねー。なーんか最近学校ダルいんだよね。授業も難しくなってきたし。」ため息をつきながら鞄から教科書をのそのそと取り出す。
「ありさが輝いてるのはね、毎日せっせと、汗くっさい野球部の男どもの世話をしてやってるからよ。」
「あー、大変そうだねぇ。」机に肘をつき、脚を組む。いかにも興味がないといった姿勢を向けつつも、有紗は私のから返事には慣れているので続ける。
「そういえばー。」