あなただけ見つめてる
エスコートされてきたのは、バカでかいダンスフロア
食事を終えてから来た場所は
ダンスフロアの一角
「お前、この世界の人間じゃないよな」
「!?」
何で、分かったの?
「やっぱりな。お前からは
この世界とは違うにおいがする」
この世界とは、違う?
「まぁいい。お前はこの世界で俺と一緒に
いない方がいい」
え?
なんなの?
昨日の今日で、よくわからないよっ
「お前は、この世界で幸せになれば
お前のいる、本当の世界では、幸せになれない。
寧ろ、この世界から出ていけなくなるぞ」
!?
それは・・・
「前にもいたということですか?」
「あぁ。いた。この屋敷から出て消えて行った女だ。
その女は、現在お前の本来いる世界で、幸せに暮らしている」
そう・・・なの?
「その女はな?こういった
”私ではなく、妹の方が俺に似合う”と」
?
「お前の姉だ」
!?
お姉ちゃんは、この世界に来ていたの?
「お前も、本来いるべき場所に帰ったらどうだ」
「帰っちゃってもいいの?」
「何?」
「帰るってことは、もう2度と会えなくなるんでしょ?
そしたら、元には戻れないんじゃ・・・」
「そしたら、この姿のまま、死んでいくだけだ。
お前には、関係のないことだ」
「・・・っ」
関係ないんだ
「わかりました」
そう言って、ダンスホールを出てきたあたし
「お嬢様?」