あなただけ見つめてる
「あたしには、あの人を幸せにはできません」
「何を・・・」
「お休みなさい」
それだけ言って部屋に入ったあたし
みんなが寝静まったころ
「サヨウナラ」
それだけ言って、屋敷を出た
しばらく歩いていると
「おい、旨そうな女がいるぞ」
「あの女は、極上なんだろうな」
「しかし、あの女はあの屋敷から出てきたんだぞ」
なんだろう?さっきから、視線を感じる
しかも、なんかぼそぼそと言われている気がする
でも、もうすぐ現実の世界に帰れるのならと
方っておこうとも思ったのだけど・・・
「ミユキ!!」
え?
なん・・・で・・・?
「なんで追いかけてきたのよ!?」
「やはり、帰せそうにない」
は?
「帰れって言ったのはそっちじゃない!」
「だが、本当に帰るとは思わなかったんだ!
大体、なんでこんな夜中なんだ!」
「いいじゃない!別に夜だって」
「良くない!」
「何がよくないのよ!?」
「お前は、俺を元に戻すという役割を
与えたはずだ」
「あたしに帰れといったのだから、
そんな条件無効よ!無効!」
「ほう。なら、もう1度言おう。
お前は俺を元に戻すまでは、元に戻さねぇ」