あなただけ見つめてる

「ん・・・」

「海柚(ミユ)、海柚!」

「お姉ちゃん・・・?」

目が覚めたあたしがいたのは
さっきまでいた世界ではなく
あたしが本来いるべき世界

「そっか・・・戻ってきたんだ」

「何言って・・・」

「あたしね・・・」

そう言ってあったことを全てお姉ちゃんに
話してみた

「そう。あの野獣に会ったの」

なんだかあまり嬉しそうじゃない

「うん。戻ってくる前に、人間に戻ったんだよ」

「そう。じゃあ、きっと、すぐに迎えに来るわね」

え?

「あんた、何も聞かされていないの?」

何を?

「あの世界の人間は、実は
こっちの世界の人間だって」

はい!?

「しかも、その世界の王子にめぐり合わせられるの」

その世界の王子・・・

「じゃ、じゃあ、あたしの言った野獣は」

「あんたの創造した人間の姿」

嘘でしょう・・・?

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