あなただけ見つめてる
お姉ちゃんがいなくなるなんて嫌
「海柚。あなたを幸せにしてくれる人が
ここにはいてくれる。だけど、私は向こうに行かなくちゃ
会えないのよ。」
「うん」
「私の幸せも、海柚には祈ってほしい」
「うんっ」
「だから、私は行くわね」
そう言い残して消えて行ったお姉ちゃん
「お前、”ミヤビ”なんて名前じゃなかったんだな?」
「あっ」
「しかも、お前の姉貴は、まさかの幻影だったとは」
「あの世界でお姉ちゃんは消えたって言ったよね?」
「あぁ」
「お姉ちゃん。こっちに戻ってきたんだよ。1度だけ」
「は?」
「そしたら、数日後にお姉ちゃんね?向こうの世界の人と
向こうで暮らすって」
「マジかよ」
「お姉ちゃんは、幸せなんだと思う。
あんなに笑顔なお姉ちゃん久々に見たんだから」
「そうか。で?お前は?」
「幸せだよ?雅也」
「俺もだ。本当の名前を教えてくれ」
「海柚。海の柚で海柚」
「海柚な?もう、離さねぇからな」
「うん」