あなただけ見つめてる

どうせ、このチョコも
あんたの口には入らないでしょ?

だったら、あげる必要なんてないじゃない

ガチャっとドアを開けたと思ったら
もう家についていて

「お帰りなさいませ。坊ちゃま。お嬢様」

「あぁ。例のチョコ食べていいから」

?例のチョコ?

「もう、さすがですわ。坊ちゃま」

「お嬢様からもいただいたというのに」

「あ?」

「何よ?」

「てめ、使用人にやって俺にはねぇのか」

「「ぷっ」」

噴出した使用人にあんぐりしている
大我・・・基義兄

「何をおっしゃっているのですか?」

「お嬢様の本命チョコは・・・」

「言っちゃだめ!」

言ったってどうにもならないのだから

「言え」

「申し訳ありません。お嬢様」

「・・・っ」

「お嬢様の本命チョコは、大我様なんです」

「は?」

「ワタクシたち使用人は、お嬢様が作って
余ったものを頂いているだけですから」

「なんだよそれ」

< 112 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop