あなただけ見つめてる

こんなところではと、あたしたちを案内してくれた
場所は、ウィルさんのご自宅で

「・・・」

広い・・・

「こんな人とあたしが結婚・・・」

「いいではないか」

これもビジネスのうちだと言い切ったお父さん
頭の中には、ビジネスのことでいっぱいなんだろう

「”おや。失礼”」

着いたとたんになった電話

電話に出て行ったウィルさん

しばらくして戻ってくるも
何とも言えない表情をしていて

「”春果。婚約はいつにしますか?”」

「ウィルさんにお任せいたします」

どうせ、あたしはこの人の駒になるんだ
だったら、感情を出さず、人形でいた方が気楽だ

「”わかりました。日程が決まったらまたお知らせいたします。
それまで、我が家で落ち着かないこともあるかもしれませんが
ゆっくりと過ごしていってください”」

いいのかなぁ・・・?


「では、私はこれで失礼するよ」

そう言って帰っていったお父さん

去り際に

”婚約の時には呼ぶな。結婚式だけ呼んでくれればいい”

そう言って帰っていったのだ
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