あなただけ見つめてる
「あなたにイギリスの支部副社長になってほしいの」
カタログを持っていた手が力が抜けたように下に落とした高城
「あら。そんなに意外だったかしら」
「い、いえ。ただ驚いていて」
何を言っているんだか
イギリスの支社に彼氏がいるくせに
「それとも、普通のイギリス支社への転勤がよかったかしら」
「私的には普通の方が・・・」
そう。
「じゃあ、あなたの彼を副社長に推薦しておくわ。
事例が出た時にはお願いね」
「はい」
「じゃあ、戻って構わないわ」
「失礼しました」
カタログを拾い上げた彼女は慌てたように出て行った
「おい」
「大我。お疲れ様」
「あぁ」
「大我に相談があるの」
「俺に?」
「あの子たちに着せる服を
他の子供たちにも着させてあげたいの」
「あぁ」
「それで、子供服専門店を作りたいんだけど」
「いいんじゃないか?」
「ありがとう」