あなただけ見つめてる
翌日
「パパー。おはよう」
「あぁ。」
大河にバレンタインチョコを渡している秋穂
それを見向きもしない達也
「で?春果は?ねぇのかよ?」
「仕事が終わってからね?」
「ちっ」
舌打ちしましたよ?この人
クスクス
そう笑う、兄妹
「なんだよ」
「パパは、大変かもねー?」
「あ?」
「確かに。秋の時も大変だったし」
「何を言っている」
「ほら。大我。仕事に遅れちゃうっ」
「早く帰る」
え?
「お前から、貰えるんだろ?
俺が大変ってのは、納得してねぇけどな」
「もうっ」
「じゃ、行ってきます」
そう言って、車のキーケースをもって
出て行くのを確認してから
子供たちのご飯を作って、学校に送り出す
悪阻もひどくはないので、出来る限りの仕事をこなしていく
「大我。喜んでくれるといいな」