あなただけ見つめてる

「ただいまー」

って言っても誰もいないんだった
この広い家に、私1人
”最低でも1週間。早くて2,3日”
きっと、こんなことが続いていくんだろうなぁ

翔哉がいないから、食べる気もしないや・・・
このまま寝ちゃおっかな

食材だけ冷蔵庫に入れて
私は、着替えることもしないで布団の中へ

翔哉がいたら、きっと口うるさく言われるんだろうなぁ

「はぁ・・・」

”愛実”

ん?
これは夢?
翔哉さんが、夢の中にいるなんて信じられない

”愛実。悪い。別れよう”

え?
がばっと起きた時には、すごい汗で
翔哉にあの時言われたあの言葉が
私には、まだ、こんなにもトラウマになっているなんて
思ってもなかった

ぼーっとしている頭で冷蔵庫をあけ
手に取ったのは、さっき買ってきたばかりのチューハイ

「甘い・・・」
これを飲んだら、忘れられるかな・・・

”別れよう”
また、いつ切り出されるかわからない
その言葉に翔哉がいるときにですら
ビクビクするときがある

ついつい、飲んでしまうチューハイ

「しょ、や・・・」

そのまま意識を手放してしまった
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