あなただけ見つめてる
仕事部屋に行ってしまった、隆二と秘書の燐さん
きっと、あたしよりも知らない隆二をたくさん知ってて
あの女の人のことも知ってるんだろうなあ

「お風呂、お風呂」

溜めておこう。
そう思って、お風呂場に行って
戻ってきたら、夕飯づくり
あたしの好きな食材で作れるものなんて限られてる

だったら

「へへっ」

食べてくれればいいけど・・・

「じゃあな」

「では、美緒様夜分失礼いたしました」

「い、いえ」

リビングでは、秘書の燐さんを見送った隆二が

「なんで、俺の好きなもの?」

「だって」

「まぁいい。美緒の作ったもん食えるしな」
そう言って食べ始めた隆二

さっきの女の人だって、同じもの作れるはずなのに
なのに、なんであたしなんだろう?

「ご馳走様」

はやっ

「美緒。他の男に、飯なんか作んなよ?」

いや、それは隆二次第なんだよ?

「ま、俺が美緒を手放すことなんてねぇけどな」

「!?」
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