あなただけ見つめてる

「風呂も沸いてるんだな。
美緒、先に入って来いよ」

え?

「他所の、匂い着けてんじゃねぇ」

「・・・っ」

「俺が、それを許すとでも思ってるのか?」
お、思ってないけどっ

「さっさと入ってこい。
何なら、一緒に入るか?」

「なっ」

どうせ、そういう時には入ってくるくせに
それでも、先にお風呂に入りに行ったあたしを
リビングで見ていた隆二

「・・・っ」

どうして、隆二はあんなこと言ったの?
あの女の人にも、同じことを言ってるんでしょう?
隆二の超タイプっぽい女(ひと)だったじゃん

「美緒」

「きゃあ」

なんの前触れもなく
普通に入ってきた隆二

ぎゅうっと後ろから抱きしめられてしまった

「んっ」

「俺から、逃げんな」

え?
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