あなただけ見つめてる
「あの女の人、隆二のタイプど真ん中じゃん」
「へー。お前は、そんなことを、思っていたのか」
・・・っ
「だって、しょうがないじゃん。あたしは、隆二が思っているほど
自信なんてないし、隆二のサポートができるとは思えないんだもんっ」
「やっと」
やっと?
「やっと、泣いたな」
へ?
「言ったろ?俺の持ってないもの」
そう言えば・・・
「お前、俺の前では絶対泣かなかったよな」
ニやりと笑った隆二が怖い
「他の奴の前で泣いてんじゃねぇだろうな?」
他の、奴って何?
「分かんねぇならいい。お前の泣き顔も何もかも全部
俺のものだ」
!?
「ヤキモチ妬いてるお前も可愛かったけどな」
や、ヤキモチ!?
PIPIPI
「なんだよ。燐」
「何だよ。ではありません。
今日は会議があると散々・・・」
「テレビ電話をつなげ。
俺は、家で参加する」
「は?」
「だから、何度も言わせんな。
テレビ電話に接続しろ。そこでも会議はできる。」
「はぁ。わかりました」
仕事の電話、丸聞こえなんですけど
「行ってくればいいのに」
「家出する猫がここにいるからな」
うっ
あたしは、猫ですかっ
そうですか、どーせ、懐かない猫ですよーだ
「でも、2度と、家出させねーように
首輪もしとくか」
そう言って、首輪という名の指輪を
はめられたのは言うまでもない