あなただけ見つめてる
午後も、いつも通り普通に授業にも出た。
でもそれでもあたしの心は
どこか、ここにあらず。それが正しいのかもしれない
「紗菜」
「え?」
「何してんの。もう終わったわよ。帰ろ」
「あ、うん」
教室を出て、職員室の前に来た時
「ちょっと、待っててくれる?」
「早くね」
「うん」
職員室に入って、担任の先生に
退学届けを渡した
「三河。どういう事なんだ?」
「このままの意味です。
辞めたことを伏せておいてください。」
「伏せてって。三河」
「お願いしますっ言うのであれば
1週間後にしてください」
そのころには、もう、あたしはここにはいない
「はぁ・・・
分かった」
そう言って受け取ってくれた退学届け
これで、この学校に来ることはもうない。
結城の周りにいる女の子を見ることも
結城に冷たい目で見られることもない。
「お待たせっ」
「紗菜。明日、時間を頂戴?」
明日?
「最後に思い出ぐらい。3人で作っておこうよ」
「ありがとう」