あなただけ見つめてる
亜紀と別れて、変わりつつ街並みを
歩きながら散策していると、
見慣れた顔が2つ
紛れもなく、リカと結城だ。
「ハハっ
バカみたい。やっぱり、結城のあの言葉は嘘だったんだ」
指輪を外して、結城の家の前に来た
これで、結城とはもう、何の関わりもない。
一緒に働いていれば、そういう関係なんだってすぐに
気づけるはずなのに、あたしは気づけなかった
「紗菜ちゃん・・・?」
「小母さん・・・お久しぶりです」
「どうしたの?」
「結城に、これを渡しておいてください」
小母さんに渡したのは、結城からもらった指輪。
「いいの?私から結城に渡しちゃって」
「はい。いいんです。いつまでも
あたしが結城を縛っておくわけにもいかないので・・・」
「そう・・・」
「結城に伝えておいて下さ・・・」
小母さんの後ろに来た人物に驚いた
「あら。お帰りなさい。結城」
「あぁ。で?お前誰?」
え?
「何言ってんの。紗菜ちゃんに決まってるでしょ?」