あなただけ見つめてる

「は?紗菜?」

あたしって、そんなに変わっちゃったの?

「小母さん。あたしはこれで失礼します」

結城の横を通り過ぎようとした瞬間

ガッシリと腕を掴まれたあたし

「指輪は?どうした」

「指輪を返しに来ただけだから」

「あ?」

「バイバイ。結城」

捕まれてた腕を振り払って家に帰ってきたあたし
家の玄関のかぎもちゃんと閉めて
部屋にもぐりこんだ

あの時のままのベッドの位置も変わっていない

結城は、リカが好きなんだろうか?
じゃなかったら、一緒にはいないよね・・・

あたしは、泣きながらそのまま眠ってしまった
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