あなただけ見つめてる

それでも、まだ小さい子供の面倒を見ながら
あれこれするのは大変だ。
紗菜は、毎日こんなことをこなしていたのかと感心してしまうくらいに

ぬいぐるみ事咲姫を抱えて寝室に向かう。

ママァ
小さく呟く咲姫の思いに胸が締め付けられてしまう。

「ごめんな。もう少ししたら、ママも帰ってくるからな」
咲姫の頭を撫でて寝室で残りの仕事を片付ける

翌朝

「パパー!おきてくださーい」

ドカドカと俺の上に乗っかってくる咲姫

「どうした?」

「んーん。ぱぱがおねぼうさんだから
おこしにきたのー」

そう言って時計を見ると
まだ、朝の6時で

「咲姫。まだ早い。もう少し、寝よう」

「えー。やだぁ」

そう言ってお気に入りのぬいぐるみを持ったまま
歩くもんだから

「転ぶなよ」

布団から起きると

ドッターン

「うわぁぁぁああぁん」

「はぁ・・・」

言わんこっちゃない

「ほら」

「パパァ!」

うさちゃんが、と何度も言う咲姫
咲姫を抱き上げて庭に行くも、俺から離れない咲姫。

「咲姫。朝飯食いながら、ママの所に行くか?」

「ママ?」

「あぁ」

「いかないっおうちで遊んでるの」

珍しい。紗菜に会いたいって言うんだったら
連れて行こうと思ったのに

「そうか」
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