あなただけ見つめてる

朝飯を食べ終わって、普段よりもお洒落をした咲姫は

「パパー?」

「準備出来たな?じゃあ、行くぞ」

咲姫をチャイルドシートに乗せて車を病院に向けて
ゆっくりと走り出した

病院についた俺たちは、紗菜の病室に行く

ガラっと開けた俺と一緒に来た咲姫に
頬を綻ばせた紗菜

「よぉ。体調はどうだ?」

「うん。今日は平気だよ」

「そうか」

「パパ」

「あぁ。ほら」

咲姫を抱き上げて紗菜の方に向けると

「咲姫。パパとの生活はどう?」

「ママがいないといや」

「そっか。寂しい思いばかりさせてごめんね。
おいで?咲姫」

咲姫に手を伸ばす紗菜
紗菜の手を握ろうとする咲姫。

「ママァ?」

クスクスと笑っている紗菜

「眠いの?」

「うん?」

「いいよ。ここで寝てても。
ちゃんと、ママはここにいるから」

スーーっと寝てしまった咲姫

やっぱり母親なんだな。

「おでこ、どうしたの?」

咲姫のおでこにあった朝の転んだときの
小さな赤みに気づいた紗菜

「朝、ぬいぐるみに躓いて転んだあと」

「そっか」
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