あなただけ見つめてる

「予定日は?来れそう?」

「休みは取ってある。
咲姫も一緒に連れてくる」

「ありがとう」

紗菜は2人目を妊娠している。
だけど、入院しているのは
体調がよくなくて、母体に負担を掛けさせないためだ

「咲姫がな。ママが、咲姫を嫌いだから家に帰ってこないって
俺にそう言ったんだ」

「そうなんだ。あたしが咲姫を嫌いになんてなるわけがないのに」

咲姫の髪の毛を撫でながら
寝顔を見ている紗菜。

「本当は、一緒に居たいよね。咲姫だって」

「マ・・・マ」

しっかりと、昼まで紗菜の腕の中で寝ていた咲姫。

「起きた?咲姫」

「うん・・・」

ちょうど、紗菜のお昼ご飯も運ばれてきたところで

「咲姫。パパたちも食べに行こうか」

「ママとたべる」

紗菜のそばを離れようとしない咲姫。
無理やりにでも離すべきなんだろう。

「ほら。パパと行こう?」

「やだぁ!」

泣き出してしまった咲姫に

「咲姫。パパと好きなもの買っておいで?
待っててあげるから。
一緒に食べよう?」

「ママ。まっててくれる?さきのこと」

「勿論」

「いってくるね」

「行ってらっしゃい」

「悪いな。紗菜」

「いいの。咲姫をお願いね?」

「あぁ」

咲姫の後を追って、買いに出た俺

コンビニで咲姫が手に取ったのは
シュークリーム2個だけ。

「咲姫。それじゃ、お昼にはならないぞ?」

「ママといっしょにたべるの」

紗菜と一緒に・・・か

「分かった。
だけど、ちゃんとしたものを買っていこう?」

「??」

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