あなただけ見つめてる

咲姫の好きなおにぎりとサンドイッチをいくつか籠に入れて
飲み物も多めに買った

病室に戻った俺と咲姫を待っていてくれた紗菜

「ママー。ただいまー」

「お帰りなさい」

戻った咲姫は、紗菜の隣に既にいる。

「結城。ありがとう」

「あぁ」

咲姫にお昼ご飯を選ばせて
紗菜の隣で食べ始めた咲姫。

約束通り待っていてくれていた紗菜は、咲姫が食べ始めたのを確認してから
自分も食べ始めた紗菜。

「ママー。おししいねー」

「よかった」

口についているご飯粒を取ってくれている紗菜

お昼ご飯を食べ終わってから、紗菜の隣で絵を描き始めた咲姫

「咲姫。ほら帰る時間だぞ?」

「いや。ママといっしょにねるの」

「咲姫。また、来週来よう?」

「やだ。
さきは、ママといっしょにねるの」

これには紗菜も苦笑いだ。

「咲姫。お願いしてもいい?」

「なぁに?」

「咲姫はお姉ちゃんになるんだよ?
だからね?パパと一緒にお姉ちゃんになれるように頑張ってきてくれる?」

「さき、おねえちゃん?」

「そう。お姉ちゃん」

「さき、がんばる」

「うん」

「だから、さきのこときらいにならないで」

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