あなただけ見つめてる
「紗菜。子供たちの名前は」
どうしようかと話した時だった
「優奈と優羽」
「優奈と優羽?」
「うん。そう」
「そうか。分かった。咲姫も驚くだろうな」
「そうだね」
ベッドで寝ている咲姫の寝顔を見ながら
優しい母の顔をしている紗菜。
「夜中だったのに、良く来れたね?」
「あぁ。電話があったんだ。お前が産気づいたって」
「そっか。でも、ありがとう。来てくれて」
「当り前だろう?俺の方こそありがとう。
咲姫や優奈。優羽の父親にしてくれて」
紗菜には、感謝しかない。
こんな可愛い子供たちの父親にしてくれたんだ。
「夏目さん。赤ちゃんたちを連れてきましたよ」
連れてきてくれた可愛い俺たちの2人の娘
授乳をしながら、咲姫も見ている紗菜。
「なぁ。咲姫は俺たちの文字を取ったろ?
優奈や優羽って」
授乳を終えた紗菜はゲップをさせて
ベビーベッドに寝かせていた
「勿論。優奈はあたしたちから取って。優羽は結城からもらったんだよ」
やっぱりな
「あたしはね。子供たちに幸せになって欲しいの。
あたしみたく、お母さんが他に男の人を作って出て行ったようにはなりたくないの」
「あぁ」
頃合いを見計らって、看護師さんが、子供たちを連れて行ってくれた。
「こうして、あの子たちが生まれたからって、
咲姫のことを、蔑ろになんてしない。
寧ろ、咲姫が生まれてきてくれた時もこうしてたなって。
そう思えるくらいにはなれた気がする」
「あぁ」