あなただけ見つめてる
「未来っ」
え?
「翔・・・」
どうして?
だって学校のはずじゃ・・・
「今日は、あのガキいないんだな」
ガキ・・・?
「咲姫の妹たちの事?」
何で、あの子たちが関係してんのよ?
「俺。ずっと嫉妬してた」
!?
「夏目とは、時間を取るくせに、俺とはなかなか取ってくれなっくて」
「逆でしょ?」
「咲姫?」
「未来は、あんたのことでずっと悩んでた。
あんたたちが付き合い始めたころは、
あんた達が羨ましいくらい眩しかった。
だけど、2年に上がってから
未来はあんまり笑わなくなった」
そこまで見てくれていたの?
「未来は、あんたと一緒に居たい。なのに
あんたは、帰ることもドタキャン。
そのくせ、自分とは時間を取ってくれない?
あたしとの時間を取る?
冗談じゃない。昨日だって、未来はあんたと帰っていたはずでしょう?
あんたが、ドタキャンさえしなければ」
「・・・っ」
「翔。あたしね。知ってるよ。他に好きな人がいることくらい」
「は!?俺が他に好きな女!?」
「だから、一緒に帰れないんでしょう?」
見てしまったの。翔が、他の女性と歩いているところ。
腕を組んで、あたしには見せない笑顔で歩いているところを
「居ねぇよ。俺が好きなのは、未来だけど?」
「え?」