あなただけ見つめてる
「言ったろ?子供に嫉妬してた。
もっと早くに言ってやればよかった。昨日もそう思った。
夏目に下の兄弟がいることも知ってたし、
家庭の事情で来られないこともあるって。
担任から言われたことを思いだした。
まさか、未来が夏目の所の妹と一緒に居るなんて思いもしなかったけど・・・」
「翔。あと1年。ちゃんと、未来を大事にできる?」
「あぁ」
「もし、未来が、あたしと逆の立場でいたらどう返事してた?」
あたしと咲姫の立場?
「大事にする。確かに俺との時間も取って欲しい。
だけど、もし未来に兄弟がいて大変な時にはしょうがないって思う」
「そう。あいつと違う返事で良かった」
「アイツ?」
「未来を。大事にしてあげてよ?」
「あぁ。約束する」
そう言ってあたしたちから離れていった咲姫
「なぁ。アイツって誰?」
「咲姫の元カレ」
「夏目の元カレ?」
「そう。咲姫の元カレはね。
子供たちよりも自分を優先してほしかったんだって」
「は?」
それで別れた。咲姫はそう言ってた。
「翔。いつかあたしたちに子供が出来ても
あたしを大事にしてくれる?」
「当り前。将来は子供も未来も大事にする」
「ありがとう。」