あなただけ見つめてる
「夕陽は、それでいいの?」
「うん」
「なら、私は反対しないし、できないね」
うん。
反対されなくてよかったかも
「でも、パパたちには?
なんて言うつもり?」
「素直に言うよ」
「そっか。でも、今日は帰ってこないでしょ?」
まぁ・・・うん
帰ってこないね?
でも
「会社に行く手もあるけど」
「ううん。行くつもりはないよ?」
だって、会社に行けばきっと
会っちゃうでしょ?
私はもう、
「会うつもりはないし」
「そう。」
「で?じゃあ、下の雪にはどういうの?
あんたに1番なついてんのに」
「んー泣きつかれたら、連れて行っちゃうかも」
「バカっ」
「冗談。冗談。ちゃんと言うよ」
「そう?」
「うん」
でも、雪は確実に泣くだろうな
「ねぇ。夕葉」
「うん?」
「私ね。きっとこの先も
颯以外好きになることはないと思う。
どれだけ離れても、この思いだけは変わらないと思う
だけど、報われない恋だってわかってるから
身を引くの。お願い。颯に何を聞かれても
どこにいるか聞かれても、居場所は
教えないで」
「はぁ・・・分かったわ。
学校の先生たちにも伝えておくわ」
「ありがとう」