あなただけ見つめてる
翌週
ついこの間、
修学旅行の場所が決まったと連絡が入った
まさかのこの隣県で1泊するということが決まったらしい
「はぁ・・・」
溜息しか出てこない
今の学校に特別仲がいい子がいるわけでも
ない。私が溜息をついたところでどうすることもできないけど
学校帰り
まさかの人物発見
「え?」
嘘っ
だって明日からでしょう?
なのに、なんでここにもう
来ているの?
気づかれないように足早に
過ぎ去ろうとしたのだけど
パシッ
「え?」
「見つけた」
「ひ、人違いじゃないですか?」
「なわけあるか!」
どうしてよ・・・
どうして見放してくれないの?
「その目も、口も、声も、全部夕陽じゃねぇか」
「・・・っ」
「どうして、俺から離れた」
え?
だって
「まぁいい。見つけたんだ。
見合いなんてさせねぇ。
その声も夕陽の全部、俺のもんだ」
”俺のもん”
どうして、あの時ほしかった言葉を
ここでいうの?