あなただけ見つめてる

ぐいっと引っ張られたところが熱い

「ホテル。取ってあるんだ」

え?

「いっ行かないっ」

お願いだから、期待させないで

「だめ。こうでもしねぇと、お前
また逃げるだろ」

うっ

現にお前がここにいるのを俺は
初めて知った
ってお怒り交じりにそう言われてしまった

歩いて数分の所にある
ホテル

チェックインを足早に済ませ
離すことを許さないかのように
手は握られたまま

「きゃあ」

ベッドの上に放り投げられるような感じにされ
まさかの上にまたがられるように逃がしてはくれないであろう
颯の姿

「で?男がいるのか?」

へ?
「関係なく・・・「ねぇんだよ!」」

え?

「お前がいなくなって、他の女を作っても
お前がいねぇから、俺は生きた心地さえしてねぇんだよ」

颯?

「なのに、今日あったお前から、他の
男の匂いがしたら無性に腹が立った」

「なん・・・んぅ」

いきなりキスされてしまった

「ん、んぅう」

「やばっ夕陽のそんな顔、初めて見たかも」

「やっ」

見ないで

「だめ。俺にもっと見せて」

「見な・・」

「顔、真っ赤」

うっ

「でも、そんな反応夕陽ぐらいかもな」

え?

「でも、さっきの声も、他の男に聞かせんなよ」

「どうして・・・」
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