あなただけ見つめてる

マンションに帰ってきた私。

「見つかっちゃった」

キスよりも
抱きしめられるよりも

見つかっちゃったのが先に出たのは
見つかりたくなかったから

部屋に戻ってシャワーを浴びて、制服になり
髪の毛をセットして
学校に行く・・・のだけど

なぜ?

「ほらな?
こうやって、逃げやがる」

うっ

「まぁ、住んでる場所も見つけたし、
ここに来たら逃げ場はねぇってことだ」

・・・っ

「俺から逃げられると思うな」

「まぁ、明日から修学旅行だ。ここまで迎えに来る。
待ってろよ?」

「待たないから」

「いいもの持ってきてやるから」

その言葉を最後に
自分ちの車に乗り込んだ颯

「待たないからね」

その言葉が颯に届いてるはずもなくて
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