あなただけ見つめてる
2年後
「ただいまー」
夕陽が帰ってきたと思ったら、
少しふっくらしている姿の夕陽と
心配そうな顔をしている颯
「お帰り。早かったのね?」
「優香さんは知ってたんですか?」
「何を?」
「夕陽が、妊娠してたこと」
「えぇ。知ってたわ。
今日帰ってくることも知ってたから黙ってたんだけど
颯君は、今知ったのね?」
「はい。たった今、本人から」
そう言っていた颯は、それでも
「私も知らなかったな」
「そうね。でも、子供が得意じゃない
夕葉が知ったら、きっと怖かったんでしょ」
・・・っ
「お母さん。あの話、夕陽たちもいるなら
してもいい?」
「夕葉が、後悔をしない道を進みなさい」
「?」
「あたしや、宙は子供たちが1番だし
お嫁に出すんだから、幸せになってほしいのよ」
?
お婿さんを取るんじゃないの?
新年で学校もない妹たちは
久々の夕陽にべったりで
でも、少し大きなお腹に驚いているけど
「夕陽。颯にも聞いてほしい」
「んー?」
「どうした?」
「私ね?お見合いした人と
結婚することにした」
「・・・」
「はぁ!?」