あなただけ見つめてる
あの後戻ってきた夕陽の腕には、桜が寝ていて

「あーあ。やっぱこうなったか」

「へ?」

「桜はね?夕陽のことが1番好きなんだよ」

「そっか。ま、あんまり会えないのもあるのかもね」

「そっか」

「今日は、川の字で寝よっか」

「いいね」

桜もつれて、1番近い私の部屋へ
「ゆーひちゃん」

桜を真ん中にして左右を私たちで囲む

「愛たちの時にも、こうしてたの覚えてるなぁ」

「確かに。
愛とか、雪は夕陽が出ていくと探してて
見つからないと、夕陽の部屋まで行ってたのも覚えてる」

「確かに」

「でも、妹だから、そんなことも許せてたでしょ」

「うん」

「私もだよ。
夕葉は1人じゃないから。
なんでも、抱え込まないで」

「うん」

そう言って眠りに落ちた私たち
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