あなただけ見つめてる
一緒に来たのは、どこにでもあるファミレスだ
ドリンクバーだけ先に頼んで
「で?どうして置いてきちゃったのよ」
「颯はさ、私の妊娠した時は
すごく心配性だったんだよ。」
「わかる。あの人だもん」
「だけどさ、子供が生まれて2年。
颯はさ、何も手伝ってくれないんだよね」
「え?」
どういう事?みたいな顔をしている瑞希に
「少しでも手伝ってほしいなんて言おうもんには
”今忙しいから無理”とかさ
え?って何もしてないじゃん。ってなるでしょ」
「まぁ」
「しかも、料理を運ぶのだって、子供を見ながらッて
限度があって、それを言うもんなら”手が離せない”とか言ってさ」
「それが、つもりに積もっちゃったわけだ」
「そういう事」
こんな思いをするために
「子供を産んだわけじゃないんだけどさ。
少しくらい、協力してくれてもいいんじゃない?って」
「そりゃ思うでしょ。」