あなただけ見つめてる

一緒に来たのは、どこにでもあるファミレスだ

ドリンクバーだけ先に頼んで

「で?どうして置いてきちゃったのよ」

「颯はさ、私の妊娠した時は
すごく心配性だったんだよ。」

「わかる。あの人だもん」

「だけどさ、子供が生まれて2年。
颯はさ、何も手伝ってくれないんだよね」

「え?」

どういう事?みたいな顔をしている瑞希に

「少しでも手伝ってほしいなんて言おうもんには
”今忙しいから無理”とかさ
え?って何もしてないじゃん。ってなるでしょ」

「まぁ」

「しかも、料理を運ぶのだって、子供を見ながらッて
限度があって、それを言うもんなら”手が離せない”とか言ってさ」

「それが、つもりに積もっちゃったわけだ」

「そういう事」

こんな思いをするために

「子供を産んだわけじゃないんだけどさ。
少しくらい、協力してくれてもいいんじゃない?って」

「そりゃ思うでしょ。」
< 77 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop