あなただけ見つめてる

後ろを振り向くと、焦ったような顔をした
颯と涼真の姿が

「意外と早かったのね?」

「以外じゃねぇ。子供置いて」

「じゃあ、あんたは、私が言ったことに
何かしてくれたの?」

「それと」

「同じよ。
来るなら、私がやったこと全部やってから来なさいよ」

「あ?」

「出来るんでしょ?私がやってほしい時に
やってくれなくても、出来るからやらなかったんでしょ?
颯のご両親には、そうやって伝えたはずだけど」

「確かに聞いてる。でも、それにだって限度が」

「私は、限度があっても、我慢しろと?
少し見ててほしかった時に、何もしてない
ただただテレビを見てた颯は何て言ったか覚えてんの?」

「それは」

「悪いけど。しばらく、帰る気なんてないから。
颯が全部実践してみれば、私の言った言葉が理解できて
自分がその時なんて言ったか思い出せるんじゃない?」

涼真の頭をなでて、瑞希の後を追うようにファミレスを出た

少し、立ちすくんでたけど
やらなきゃわからないことなんて
沢山あるんだからね。

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