あなただけ見つめてる
起きたころには
桜がいなくて、慌てたけど

ここが実家であるということは、リビングにでもいるのかも
って思って下に降りたら

みんないて、

「よく眠れた?」

「うん。久々に」

「そうね。隈が少しは取れたみたいね」

気づいてたの?
私に隈ができてたこと

「夕陽。ご飯食べちゃいなさい」

「うん。でも先に涼真に授乳してくる」

「そう?」

「うん」

ダイニングで涼真に授乳をした後に
リビングに戻ると、温かいご飯を用意してくれてて

それが、とても懐かしく思えた

「お母さんの味だ」

「何よ。あたしが作ってるんだから、当り前でしょう」

クスクスと笑ってくれる母親
涼真を抱えながら、テレビを見てるお父さん

颯も、こうしてくれてるとよかったのになぁ

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