あなただけ見つめてる

翌週、颯が退院したと連絡があったが
私は、涼真を連れて行こうとは思わなかった

「まだ、許してないんだから」

そう思っていても、颯は違うようで

”帰ってこい”だの
”お前の家は、そこじゃなくてこっちだろ”
って連絡が来てるのを
私の両親も知ってる。
というか、択一見せてるし

「夕陽。別れてもいいんだぞ?」

そう言ってくれるお父さん
ここに住んでもいいとまで言ってくれる

だから、颯に連絡をしないでいたら

まさかの突撃訪問

「夕陽。帰るぞ」

そう言って入ってきた颯

「非常識だな」

「なんでですか?
嫁と息子を戻しに来ただけです」

「それが非常識だと言っている。
俺の言ったことを忘れたのか?」

「あっ」

病院で言われてたね?


「いいか?自分のやった事を棚に上げて
たったの3日でばてるほど子育てが甘くないんだ。
お前はそれを夕陽に押し付けてたんだぞ!?」

「・・・っ」

「夕陽は、お前の家政婦でもなければ
桜庭の跡取りを産むためのロボットじゃねぇんだ」

「それは」

「わかってねぇから、現に夕陽は帰ろうとしない
その原因が自分にあるってわかるまで、朝倉に立ち入ることも禁止したし
夕陽にも涼真にも接触禁止を出したよな?俺たちは」

「・・・」
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