あなただけ見つめてる

ちょうど良くお父さんが買い出しから帰ってきて

「いたのか」

「はい」

あの脅しが聞いているのか
あまり下手にお父さんの前では話せないらしい

「夕陽。俺な？実感した。
今もだけど」

「何をよ？」

「こんなことを涼真がいながら、毎日やってたんだなって
俺は今は1人で暮らしてんのに生活してんのに
こうやって、夕陽がしてくれなきゃ、何もできないんだな」

「そうでしょ」

「なのに、夕陽が俺を頼ってんのに、
あの時の俺は、バカだったな」

「うん。今だって十分にバカでしょ」

「なっ」

十分馬鹿だよ。颯も

「俺、もっといい父親になれるように頑張るから
涼真が”親父すげぇな”って思えるように頑張るから」