あなただけ見つめてる

なんでこの屋敷から出てはいけないんだろう?

もう少し慣れてきてから
明るいうちに、街に出てみよう

それにしても、疲れた

「どうして、こんなところに来ちゃったんだろう・・・」

お兄ちゃん、お姉ちゃん、会いたいよ

部屋に入ったあたしは疲れからなのか
そのまま眠ってしまった

「お嬢様は眠られたか?」

「えぇ。着替えもしないで眠られてしまいましたわ」

そう話しているのは
洋服ダンスと先ほどの時計だ

なんで、ここにはこんなのがいるのだろうか?
昔見た、童話の美女と野獣にとても良く似ている

「そうか。お嬢様は、雅也様を愛してくださるだろうか?
ゲームだと言っていたが・・・」

「さぁ?もう、ここで何人見てきたかしら」

ここに来た人間はもっといるのだろう

「そうだなぁ、このお嬢様でかれこれ10人以上は見ているんじゃないか?」

「1人は、出て行ってしまったのだけどね」

「あぁ。出るなと言われたのに
出て行ったお嬢様が悪いんだあれは」

そう言っているのも気づかずに・・・
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