もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「あー今日だっけ?」
放課後。
バタバタと部活に行く子や遊びの計画を立てる子で賑わう教室で、私は彩心に向かってパンッと手を合わせた。
「お願いっ!というわけで、あのリップ貸してくださいっ!」
「はいはい」
ポーチの中からリップを取りだして渡してくれる彩心。
高校生にはとても手が出せないブランドの高級リップ。
大人っぽいワインレッド。
彩心はコスメが好きで、バイト代を貯めてはちょくちょくデパコスにも手を出している。
合コンが決まったとき、私は彩心になんとかそれをレンタルしてくれるようお願いしていた。
彩心も合コンに誘ったけどそれは速攻で断られた。