もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「ど、どうしてここに…!?」
「あーなんか」
私の疑問に答えてくれたのは小泉くん。
「先に着いてたはずの俺の友達から急に行けなくなったって連絡がきて、店に着いてみたらそいつの代打だって、高橋くん?がここに」
な?と確認する小泉くんに、ハヅキは笑顔で頷いた。
「そう。その子とは俺、前々からの知り合いだったんだよ。グーゼン」
それほんと!?と疑る私に、麟が「まぁまぁ、同じ高校なら話も合うしいいでしょ?」と強引に言って席に座らせた。
「っていうか!」
麟が私の耳元でコソッと耳打ちをする。
「こんなイケメンが同じ高校なら早く紹介してよね!?」
「いや、あのこれが例の…」
頭のおかしい“ハヅキ”です!と言う前に店員さんがタイミング悪く注文を取りに来てしまった。
みんな思い思いに好きなメニューを注文する。
「高橋くんは?どーする?」
目を輝かせてハヅキに話しかける麟に、チッと小泉くんが舌打ちをした。
「…そーだなぁ」
ハヅキがメニューを覗き込む。
「激辛チキンひとつで」
「えっ、高橋くんって辛いの好きなんだ?」
「うーん、まぁまぁかな」
ニコッと麟ではなく私に向かって笑いかけるハヅキ。
…絶対バレンタインのこと根に持ってる…