もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「っ、は…」
やっと解放された。
苦しくて目の前が滲む。
ぼやけた視界でも、ハヅキが嬉しそうに笑うのが分かった。
「なんっで…またキス…!しかもこんな所で…!」
息絶え絶えになりながらも文句を言う。
まぁまぁ人通りのある路上。
あちこちから視線が突き刺さってるのが分かる。
肩で息をしている私に対して余裕そうなハヅキ。
「だってお仕置きしなきゃでしょ?彼氏いるのに合コン行くような悪いコには」
「だから、その彼氏っていうの…っ!」
「だからその顔外ですんの禁止」
ハヅキの手が私の顔を覆う。
「っあぁもう!話逸らさないで!」
ハヅキの手を乱暴にどかすと。不適な笑みを浮かべたハヅキ。
唇には、ワインレッド。
「これ、さぁちゃんには100万年早いよ」
ハヅキがそっと、自分の唇に触れて言った。