もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】






「っ、は…」





やっと解放された。



苦しくて目の前が滲む。





ぼやけた視界でも、ハヅキが嬉しそうに笑うのが分かった。





「なんっで…またキス…!しかもこんな所で…!」





息絶え絶えになりながらも文句を言う。


まぁまぁ人通りのある路上。



あちこちから視線が突き刺さってるのが分かる。





肩で息をしている私に対して余裕そうなハヅキ。




「だってお仕置きしなきゃでしょ?彼氏いるのに合コン行くような悪いコには」


「だから、その彼氏っていうの…っ!」


「だからその顔外ですんの禁止」




ハヅキの手が私の顔を覆う。




「っあぁもう!話逸らさないで!」




ハヅキの手を乱暴にどかすと。不適な笑みを浮かべたハヅキ。



唇には、ワインレッド。







「これ、さぁちゃんには100万年早いよ」





ハヅキがそっと、自分の唇に触れて言った。





< 112 / 537 >

この作品をシェア

pagetop