もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「…んー?」
貼り付けたような笑顔を京星くんに向けるハヅキ。
「そう言う君は…だれ?」
心なしか、ハヅキの声に温度がない。
「和原京星。みなみ保育園の…覚えてねぇ?」
「全く。俺、キョーミないことに脳味噌使わない主義だから」
「ちょっ、ハヅキ!」
なんて失礼な…!
咎めるつもりでブレザーの裾を引っ張ると、チラ、と私を横目で見たハヅキがグイッと腰に腕をまわして引き寄せた。
「わっ…!」
「これ俺の所有物。許可なく勝手に話しかけないで?」
「は!?」
どこの束縛魔!?彼氏でもないくせに…!
「…へぇ」
てっきり引かれたと思ったけど、京星くんの表情は全く変わらず。
「お前の考えは分かった。でも俺は俺で話したい奴と話すだけだから。お前の言うことは聞けねーな」
そう言い放った。