もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】




!?!?




「ちょっと…!」



さすがに声をあげた。だけどイケメン転校生は変わらずニコニコしてる。




「え、なんでー?俺たちさっきまでずっとこの距離にいたじゃん?」


「それは…!」




イケメン転校生がまだ教科書を持っていないから今日一日見せていただけだ。



しかも断じて肩は組んでいない!





じっと黙ったままの渓渡。



渓渡は怒ると黙る。



今も絶対怒ってる…!





「離れて!!…くれる?」





さすがに強い口調で引き剥がす!…つもりだったけど、イケメンフェイスドアップverの破壊力についつい語尾が弱くなった…。




だけどイケメン転校生は思ったよりもあっさりと離れた。





「ま、いいやー」





残念なのかそうでもないのか、感情のない声でそう言うと、さっさと私たちから離れて歩き始める。




「ハヅキー!」



「あ、うん、今いくー」




ちょうどその時女子たちに呼ばれて、そっちのグループにフラフラと近づいていった。



どうやら転校初日ですっかりこの学校に溶け込んでいるらしい。





ていうか、“ハヅキ”…?




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