もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「…ふーん」
感情の読めない笑顔と、声。
そんなハヅキを見据える京星くん。
…な。なにこの空気。
ビリッ…と、まるで静電気みたいに、空気が痛い。
「ハーヅキ!」
そんな空気をぶち壊したのは近藤だった。(近藤も同じクラスだった)
私は止めていた呼吸をホッと吐き出す。
近藤…今ほどあんたのことをありがたく思ったことはない。ナイスKY!
心の中でグッと親指を立てる私のことは露知らず、ハヅキにベタベタまとわり付く近藤。
「ハヅキぃ、早く行こうぜ!めっちゃ可愛い子と合コンの日だろ、今日は!!」
「あー…」
ハヅキは無表情のままやんわり近藤を引き剥がすと、ニコッと私に向かって笑顔を作った。
いつもの、キラキラ笑顔。
「じゃぁまた明日ね?早見さん」
そして近藤をまとわりつかせたまま、教室を出て行った。