もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
…意外とあっけなく引き下がったな。
今ハヅキが出て行ったばかりの、開け放された教室のドアを見ながらふと思う。
てか、今から合コンなんだ。しかもめっちゃ可愛い子と。
いや別に全然いいんだけど。
でも人のこと無理矢理彼女にしといて、自分は合コンて。
ふーん。あ、そう。いや全然いいんですけど。
ずいぶん楽しそうな人生ですこと!!
「相変わらず仲良いんだな」
「え?」
「紗英とハヅキ」
京星くんに視線を戻すと、ちょうど椅子から立ち上がるところだった。
しっかり椅子を机の中にしまって、リュックを片方の肩紐だけ肩に引っ掛ける。
「いや全然仲良くないよー!」
特に今は!
「そうなの?ま、いいや。俺らも帰ろうぜ」
歩き出す京星くん。
私の横をすり抜けて、少し歩いたところでパタッと立ち止まり、振り向いた。
「帰んねーの?」
「え」
これってもしや。
一緒に帰ろうってこと!?