もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】






…意外とあっけなく引き下がったな。




今ハヅキが出て行ったばかりの、開け放された教室のドアを見ながらふと思う。





てか、今から合コンなんだ。しかもめっちゃ可愛い子と。




いや別に全然いいんだけど。





でも人のこと無理矢理彼女にしといて、自分は合コンて。



ふーん。あ、そう。いや全然いいんですけど。





ずいぶん楽しそうな人生ですこと!!






「相変わらず仲良いんだな」



「え?」



「紗英とハヅキ」




京星くんに視線を戻すと、ちょうど椅子から立ち上がるところだった。



しっかり椅子を机の中にしまって、リュックを片方の肩紐だけ肩に引っ掛ける。




「いや全然仲良くないよー!」




特に今は!




「そうなの?ま、いいや。俺らも帰ろうぜ」




歩き出す京星くん。
私の横をすり抜けて、少し歩いたところでパタッと立ち止まり、振り向いた。





「帰んねーの?」



「え」





これってもしや。
一緒に帰ろうってこと!?





< 131 / 537 >

この作品をシェア

pagetop