もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「ハヅキと付き合ってんの?」
突然京星くんがそんな質問をしてきたので、慌てて首を横に振った。
「まさか!付き合ってないよ!まっったく!」
「でもハヅキ、紗英のこと所有物って」
「あれは何て言うか、冗談?というか、嘘?というか…とにかく違うから!今絶賛大フリー彼氏大大募集中!」
「……そうなんだ?」
「そうなの!」
ハヅキなんかに絶対負けない!
そんな決意をこめて京星くんを見ると、一瞬面食らったように瞬きをした京星くんが、ふっと吹き出す。
「え、何?なんかおかしかった?」
「いや全然」
そう言いつつ京星くんは笑ったまま。
やっと笑い終わった、と思ったら柔らかい眼差しで私を見下ろして。
「紗英ならすぐできるでしょ」
ポン、と私の頭にその大きな手を置いた。
「え…」
「すげー可愛くなったし」