もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
高橋葉月、という男。
そろそろ本気で警察に突き出した方がいいかもしれない…
「…ていうか、ほんとに何なの突然。意味わかんない!」
こわかった、ほんとに。
今までも信じられない言動ばかりだったけど、さすがに、今のは…!
首筋をおさえる。
ピリッとした一瞬の痛みが、いまだに残っている気がした。
「意味わかんない?…へぇ、さぁちゃんってほんとにバカだね」
「ばか!?」
「おバカなさぁちゃんにはさー、そうだな。じっくり、頭を使って考える時間が必要だ」
ハヅキがポケットから何かを取り出した。
太陽の光に当たって、銀色に輝くもの。…鍵?
「なにそれ」
「鍵」
「それは見ればわかる!」
「ここの鍵。職員室から借りてきた」
「はぁ…?」
「安心して?」
ハヅキが人の良さそうな笑顔を見せる。
「一時間たったらちゃーんと、迎えに来てあげる」