もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
オコチャマアクマ
一時間経って、四時間目の授業が終わって。
宣言通りハヅキは戻ってきて鍵を開けた。
殴ってやろうかと思ったけどヒラリと躱されて、
「ボーリョクハンターイ」
ケラケラとそう言って笑った。
通報…いつか絶対通報してやる…!!
そう決意して昼休みにはお弁当+購買でクッキーを買ってやけ食いした。
昼休みも終わりが近づいてきた頃。
「ねぇハヅキ。その顔どーしたの?ほっぺ赤くなってるよ?」
ハヅキの机を囲む取り巻きの女子の一人が言った。
私に殴られた右頬が僅かに赤く腫れている。
「あーこれ?」
ハヅキがそっとそれに触れる。どこか愛おしそうに。
「うーん。愛のムチ?」
「ええっ、何それー」
周りの女子が騒ぐ。
ほんと何それ…!!