もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
(仮)彼氏!?
目には目を。歯には歯を。
嘘には嘘で、対抗せよ。
「早見さん風邪ー?」
朝。
いつも通り女子に囲まれご登校されたハヅキ。
席に着いていた私を見て、ふっと笑った。
「バカは風邪ひかないって嘘だったんだねー」
どう意味だ!?
とツッコミたい衝動を抑え冷静に返す。
「…これは予防です」
今日の私。しっかり鼻まで覆えるマスクを装着してきた。
「ふーん。なんの?」
「変態悪魔ウイルスから身を守るための予防!」
「へー。そんな物騒なウイルスいるんだねー」
アンタのことだよ!
この、変態悪魔ウイルスにはもう何度も唇を奪われている。もうこれ以上奴の好き勝手にはさせない。
首筋には絆創膏。口にはマスク。
今日の私は完璧…!
それだけではない。
「おはよー紗英」
大きなリュックを背負った京星くんが登校してきた。
「おはよー京星くん!」
「ん。風邪?無理すんなよ」
違うけど。
「ありがとう、京星くん」
優しいなぁ、京星くんは。…誰かさんと違って!