もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「ねー。その風邪、俺がもらってあげよっか?変態悪魔ウイルス?」
ニヤニヤしながら話しかけてくるハヅキ。
俺がもらうも何も、あんたがそのウイルス本体だよ!!
「うるさい」
それだけ答えて視線はやらない。もう必要以上にハヅキとは関わらない、話さない。そう決めた!
でも、
「えー、ヒッドー」
しつこく話しかけてくる。
「………」
「あれ、無視?いいのかなー?彼氏にそんな態度とって」
彼氏…ね。“ニセモノ”の。
「あのさ…ハヅキに言いたいことがある」
「ん?」
チラ、と京星くんを見ると机に突っ伏して寝ていた。
朝から!?
…ま、いいや。
『…わかった。そういうことなら引き受けてもいーよ。紗英の、彼氏役』
「わたし、彼氏できたの!」