もっと泣かせて愛したい。【書籍タイトル:一途なイケメン幼なじみは、愛が重すぎる溺愛男子でした。】
「……えぇぇぇぇ!?」
今度大声を出したのはお母さんだ。
「ふった!?紗英がハヅキくんを!?」
「はい。実は転校早々、僕から告白して付き合ってたんですけど…。他に好きな人ができたってフられてしまって。今朝」
「今朝!?」
お母さんのクワッと見開かれた瞳が私を捉える。ううう、嫌な予感。
「おっお母さん!ハヅキの言うことは信じな…」
「なんてバカなことするのアンタはー!こっんなイケメンでいい子でイケメンなハヅキくんをフるなんて!今すぐどこぞの馬の骨とは別れてハヅキくんと復縁しなさい!」
「えぇ!?」
馬の骨=京星くん!?
「そんなムチャクチャな!っていうかねお母さん、ハヅキはいい子でもなんでもなくて「早見さん」
遮ったのはハヅキ。
おそるおそる振り向くと、実にいい笑顔で私を見ていた。
「そのことで話あるんだ。ちょっと時間、いい?」